みなさんは野菜と果物が、なにを基準にして分けられているのかをご存知でしょうか。
それは種を蒔いてから1年以内に収穫できるのが野菜でそれ以上かかるのが果物です。
だから、イチゴとスイカとメロンは紛れもなく野菜ってことです。
ピーマンやニンジンを食べなくても野菜は他にたくさんあるんだ。
だから、無理にナスを食べなくてもイチゴタルトを食べたら野菜と同じはずだ。
そして、記念すべき第13回目の砂金の人は、野菜ソムリエの伊藤貴俊さんです。
 |
ブロッコリーを生でバリバリ食う男です。
野菜や果物で食えないものはありません。
学生時代に魚屋でアルバイトをしていて、
当たり前のように魚を3枚におろします。
でも、今の仕事では1円にもなりません。
そう、長所が換金できるとは限りません。
だから、私の説を立証してくれました。
自分の得手がお金になるとは限らない。
そんな伊藤さんでも35歳になりました。
とにかく無意味に熱いお話をしてもらい、
そして、バシッとスポットを当てました。
|
普通のサラリーマンですが趣味が高じて野菜ソムリエの資格を取得しました。
だから、これまた今の仕事ではたったの1円の利益も生み出さないどころか、
試験のために支払った数十万円の受講料分だけ赤字です。
だから、自分の長所やメリットが換金できる訳じゃない。
そして、野菜や果物たちを通して本当に大切なことをとっても熱く語っていただきました。
8月25日(金)に、愛知県名古屋市のなんにもない殺風景なご自宅にお伺いをしました。

だから、別にだれもお願いなんかしていないのに押入れから剣を持って来てこのポーズです。
どうやらカンフーを学生時代に熱くやっていたらしいんですが、これも1円にもなりません。
そろそろ自分でもくどくなってきたなぁ〜と思います。
そして、伊藤さんは30歳のときに友人の紹介で一軒の農家へと遊びに行きました。
しかし、当然それは旅行気分でまったくなにも考えずにひょこっと顔を出しました。
でも、そこにはとっても大きな気づきの世界がありました。自分の未知の世界です。
その農家の畑をジッと見つめました。こんなに畑を眺めるのは生まれて初めてです。
伊藤さんはそのときに思いました。
今まで自分が見てきた畑って、
すべてスーパーの陳列なんだ。
だから、木になったり土から顔を
出している野菜を見たことがない。
そう思いました。また、
本当にショックでした。
こんなにも畑が美しいものとは、
言葉に表し難いほど衝撃でした。
伊藤さんはしばし呆然と眺めました。
そして、それが人生観を変えました。
|
|
それからというもの伊藤さんは何回も何回もその農家に足しげく通いました。
そして、農産物について生き方について、いろいろと教えていただきました。
新鮮でした。コンクリートとアスファルトに覆われた世界が当たり前の世の中ですが、
目の前には一面の畑です。土の匂いと野菜や果物の匂いが混ざった誇り高い匂いです。
茶色の土の中から緑色の野菜や果物が慎ましく芽を出している光景は、
そのときの伊藤さんの心をなによりもまして癒してくれるものでした。
もっともっと野菜や果物や土や水について学びたい。
そして、それに携わる人たちと心から触れ合いたい。
強く、本当に強くそう思いました。そして、人生についても考えるようになりました。
それだけ目の前の景色と誇り高き匂いが伊藤さんの全身に降り注ぐように襲いました。

そのとき「杉山さん、なにか食べますか?」と伊藤さんが気を利かせました。
すかさず「うんッ!」と私が言うと冷蔵庫から3個の果実を取り出しました。
私は「それ、なに?」と訊ねると「桃です」と伊藤さんが速攻で答えました。
お前、こう言うときは普通ケーキだろ。
良佳でさえケーキを出してくれたぞ。
と、心の中で叫びながら「桃は果物の中で一番好きなのよ」と話を何気に合わせました。
すると「この3種類の桃を一度に食べられる人はまずいません」と自慢げに言いました。
私は自慢された桃の中でも一番手前の白い一つにフォークを差して口の中に入れました。
するとどうでしょ。すっげぇ美味いッ!剥いてくれた人が女性だったらもっと美味いッ!
|
少しだけ、本当にたったの少しですが、伊藤さんの
野菜にこだわる気持ちが分かるような気がしました。
そう、土と水と作り手の想いがあれば、
こんなにも美味いものができるんです。
どうでもいいお話ですが、若い時分に作った新聞が、
コルクボードのど真ん中に画鋲で貼ってありました。
きっと必ず奥さんのダーツの的にされると思います。
|
伊藤さんは若い主婦の野菜に対する無知さ加減を嘆いていました。
自分のサイトにも書いてあることをソッと私に話してくれました。
いくら冷蔵庫だと言っても今の時期、
ブロッコリーは3日も持ちませんよ。
冬の3日と夏の3日は違うんですよ。
ブロッコリーは温度差に敏感なので、
夏に冷蔵庫の開け閉めを多くしたら、
必ずブロッコリーに花が咲きますよ。
だって、ブロッコリーは生きてます。
野菜も果物もみんな生きていますよ。
それを人間が忘れているだけですよ。
憤りを抑えながら話してくれました。
■まずは、ゆっくりとご覧下さい→
|
|
でも、伊藤さんは「それは仕方がないことかも知れませんね」とも言いました。
それは伊藤さん自身も農家の人からいろいろと教えてもらって知ったからです。
だから、ブロッコリーに花が咲くこと自体、知らなかった私はホッとしました。
そして、今までに伊藤さんが農家の人から教えてもらったこと訊ねてみました。
それはとても心を打つ言葉でした。だから、野菜とか果物が食卓に上がる前は、
実に多くの実にいろんな人の手を介しているんだと農家の人は言ったそうです。
人間はそれぞれに違うもので、また違った方が個性があると評価をされるけど、
野菜や果物はその決められた基準に当てはまらないと評価をされないどころか、
野菜として果物としてさえも認められません。だから、人間が作った基準にね。
曲がったキュウリや凸凹があるトマトはいくら美味しくても価値はありません。
それ、おかしいだろ!
農家の親父はビールを飲みながら伊藤さんに吼えました!そして、続けました。
どんな形のキュウリやトマトだって自分の子どもや孫として作ってる、ってね。
そして、いつも出荷をするときは大事な娘を嫁に出す気分なんだと語りました。

そのとき伊藤さんは、このカラダの中にたまったなにかを吐き出そうと決意しました。
それはなんと言うか悶々としたフラストレーションのようなカタチのないものでした。
じゃあ、メルマガを書こう!そう思って書き始めたメルマガが【
であいたび】でした。
モノを単なるモノとして見ていては絶対に失敗をします。決して上辺にとらわれない、
モノの本質を見抜くためのメルマガを書こうと農家の親父と自分自身に決意しました。
そう、モノづくりの原点は農家なんだってことをできるだけ多くの人に知って欲しい。
もっともっと野菜や果物の価値を分かってあげて欲しいと言う想いだけで始めました。
そして今、
食育にもチカラを注いでいます。家族が食卓で過ごす時間が一日にわずか、
たったの100分以下です。家族が顔を合わせる時間が一日に1時間40分以下です。
サザエさんのように家族が顔を合わせて食事をしながらコミュニケートできることが、
伊藤さんが目指す食育のまず第一歩です。家族全員で笑い合いながら食べて育みます。
野菜ソムリエ協会は、なんか野菜や果物をモノとしか扱っていないような気がします。
売り場の作り方とか栄養価などに重点が置かれ過ぎて一番大切なものが欠けています。
だから、伊藤さんは曲がったキュウリでも凸凹のトマトでも中身は同じだと言い、
上辺にとらわれないモノの見方を食育を通して伝えて行きたいと熱く語りました。
そして、それが今の伊藤さんにできる精一杯の熱きメッセージです。
|
学生時代に体重が90キロもあった伊藤さんは、
“野菜や果物は動かないけれど生きていますよ”
そう言うと、さらに続けて言いました。
“だから、命に感謝して食べると太りませんし、
絶対にすぐにキレたりする人にはなりません”
ってね。
|